1. 自動車の製造・組立、輸入、保証・保守サービスの条件を定める政令Decree 116/2017/ND-CPに関する概要
自動車の製造・組立、輸入、保証・保守サービスの条件を定める2017年10月17日付け政令Decree 116/2017/ND-CPが政府から発行されました。この規定は、自動車の製造・組立、輸入を行う企業、そして、関連する機関、組織、個人に対して適用されます。ベトナムにおいてこれらの自動車関連事業を行うための条件の中でも、自動車の製造・組立、輸入販売を行う企業は、保証・保守の施設を持つことが必要とされていることが注目に値します。
政令によれば、自動車の製造・組立、輸入販売をベトナムで行う企業は、自社所有またはリース契約している自動車の保証・保守施設を持っていること、あるいは、同政令が規定する条件を満たすディーラー網に属する自動車の保証・保守施設がある必要があります。同政令が規定する条件とは、例えば、作業場は自社が合法的な使用権を持つ土地に建設されていること、(国内の自動車製造・組立企業に対して保証・保守サービスを提供する場合は)国内の自動車製造・組立企業、または、(自動車輸入販売企業に対して保証・保守サービスを提供する場合は)外国の自動車製造・組立企業による自動車の保証・保守のための技術支援および部品・付属品の提供に関する誓約書があることなどです。
自動車の輸入販売企業については、外国の自動車製造・組立企業に代わってベトナムへ輸入した自動車をリコールする権利を持つことの確認書またはそれを証明する資料があることを求められます。自動車輸入販売ライセンスの発行を受けたら、政令Decree 116/2017/ND-CPの規定に従い、全ての事業条件を満足させて、輸入自動車の保証、保守、リコール、回収の責任実施を担保する必要があります。
政令Decree 116/2017/ND-CPには、ベトナムへ輸入する中古自動車についての条件が明確にされていることも注目に値します。この種の自動車に対する検査手続きを実施する際には、自動車の輸入会社は、外国から輸出されるまでに有効であった外国の管轄当局または機関が発行した流通登録証あるいは同等の法的価値を持つ書類を品質管理当局へ提供する必要があります。同時に、ベトナムへ輸入する中古自動車は、9人乗りまでの自動車については、最低2年または走行距離5万キロメートル(どちらか早く到達した条件)の保証期間、その他の自動車については、最低1年または走行距離2万キロメートル(どちらか早く到達した条件)の保証期間がある必要があります。
経過措置についてですが、(政令Decree 116/2017/ND-CP発行前の法令に基づく)現在の自動車輸入販売事業は、2017年12月31日まで継続することができますが、2018年1月1日からは政令Decree 116/2017/ND-CPの規定に基づく自動車輸入ライセンスの発行を受けた後に初めて輸入が許可されます。自動車製造・組立の条件については、既存の自動車製造・組立企業が活動は、同政令の発効日から18ヶ月間、活動を継続できます。
2. 投資プロジェクトへの付加価値税還付
投資プロジェクトへの付加価値税還付に関するガイダンスとして2017年9月28日付けOfficial Letter 4423/TCT-CSおよび2017年10月13日付けOfficial Letter 4725/TCT-CSが税務総局から発行されました。概要は以下の通りです。
控除法による付加価値税の納税者に該当する企業が同じ省・都市に投資プロジェクトを持っており、投資段階にある場合、投資プロジェクトについては個別に申告を行い、投資プロジェクトの仕入れ付加価値税を通常の事業活動に関わる付加価値税申告分と相殺します。相殺に使用可能な投資プロジェクトの仕入れ付加価値税額は、通常の事業活動に関わる同期間での付加価値税納税額が上限になります。
上記相殺の後に投資プロジェクトの仕入れ付加価値税額が300百万VND以上残る場合には、投資プロジェクトへの付加価値税還付を受けることが可能です。
3. 輸入貨物への輸入関税免税に関するガイダンス
輸入貨物への輸入関税免税に関するガイダンスとして2017年9月27日付けOfficial Letter 6337/TCHQ-TXNKが税関総局から発行されました。
輸出入貨物に対する貨物管理および輸出入関税については、輸出入関税に関する法令が別途規定する場合を除いて、通関申告の時点での規定が適用されます。
投資プロジェクトへ認められた輸出入関税に関する優遇措置が、輸出入関税法107/2016/QH13が規定する輸出入関税に関する優遇よりも低い場合、または、輸出入関税法が規定する優遇をまだ受けていない場合には、投資プロジェクトの残りの期間に対して輸出入税関法が規定する優遇措置を受けることができます。
このガイダンスによれば、以下の通りです。
- 投資に関する法令の規定に基づく優遇措置を受けた日以前に輸入した機械設備と併せて一式として組立または使用するために部品や付属品を輸入する場合(投資に関する法令の規定に基づいて投資優遇措置を受けた日から現在に至るまで)、輸入関税の免税を受けることはできません。
- 投資に関する法令の規定に基づく優遇措置を受けた日以降に輸入した輸入関税の免税を受けた機械設備と併せて一式として組立または使用するために部品や付属品を輸入する場合、輸入関税の免税を受けることができます。
- 様々な異なるモデルに使用する部品を製造するために以前から輸入していた機械へ取り付ける各種の型を輸入する場合、輸入関税の免税を受けることはできません。
- 以前から輸入していた機械設備と併せて製造ライン一式とするために組立て、併せて一式として使用して製造能力を強化するために、新規でその他の機械設備を輸入する場合について:現行の輸出入関税法107/2016/QH13では、以前から輸入していた機械設備と併せて一式として使用するために新規で輸入する機械設備の場合については、輸入関税の免税を規定していません。
4. 輸入した貨物を輸出する場合の税務取り扱い
輸入した貨物を輸出する場合の税務取り扱いに関するガイダンスとして2017年10月10日付けOfficial Letter 3828/TXNK-CSTが税関総局傘下の輸出入関税局から発行されました。概要は以下の通りです。
輸入した貨物を外国へ輸出または非税関区内で使用するために非税関区へ輸出する必要がある場合、輸入関税の還付を受けることが可能で、かつ、輸出関税を納付する必要はありません。輸入した貨物の輸出は、貨物の輸入者または輸入者から委任を受けた者により実施される必要があります。輸入関税還付申請書類の提出、受理、処理に関する手続きは、租税管理に関する法令の規定に従い実施されます。
輸入した貨物を外国の輸出者へ返却する必要がある場合、または、第三国へ輸出する必要がある場合、実際に輸出した貨物量に対応する納付済み輸入関税額の還付申請をすることが可能で、かつ、輸出関税を納付する必要もありません。納付済み輸入関税の還付、そして、輸出関税の納付不要のための条件は、輸入した貨物が、ベトナムでの製造・加工・修理または使用の過程を経ていないことです。酒、ビール、タバコ、木材を輸入した後に輸出する場合は、輸入した貨物と輸出する貨物との整合性を検査するために税関当局による輸出貨物の全品検査を受けることになります。
5. 社会保険、健康保険、失業保険、労災職業病保険の保険料未納分納付書類に関するガイダンス
社会保険、健康保険、失業保険、労災・職業病保険の保険料未納分納付書類に関するガイダンスとなる2017年10月2日付け Official Letter 2055/BHXH-QLTがホーチミン市社会保険局から発行されました。概要は以下の通りです。
- 社会保険当局の検査または査察当局の検査による結論、または、関連管轄当局による行政違反処理決定(6ヶ月以上未納分の納付)、あるいは、関連管轄当局の検査による結論(6ヶ月未満未納分の納付)に基づく未納分を納付する場合、社会保険、健康保険、失業保険、労災・職業病保険の保険料未納分納付書類の受渡し票(社会保険、健康保険、失業保険、労災・職業病保険の保険料納付に関する法令の規定違反の場合)を様式 601に従い専用ソフトウェアで作成して、査察当局の結論または違反処理決定のスキャンファイルと併せて提出します。
- 自主的に未納分を納付する場合は、以下の通りです。
(i) 何ヶ月も勤務をしている労働者に関する届出をしておらず、その未納分について納付する場合には、社会保険、健康保険、失業保険、労災・職業病保険の納付届出・変更届出、社会保険手帳・健康保険カードの発行(様式 600)の書類受渡し票を専用ソフトウェアで作成して、当該労働者への社会保険手帳および健康保険カードの発行を受けるために労働者の追加を当月中に報告します。
(ii) その他の場合で失業保険の保険料未納分を納付をする場合、Decision 595/QD-BHXHの付属書02に基づく未納分納付リストを作成する根拠となる以下の書類を用意します。
- 採用決定書、給与決定書、労働契約書、労働契約書付属書など。
- 未納分の納付期間に対応する給与支払確認表(または、ATM経由で支払う場合には給与明細表)。
- その他の場合:製品単位、仕事単位での支払いの場合、それを説明する文書、または、関連する書類。
- 自社が適用している管轄労働当局へ届け済みの賃金表。
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