1. 付加価値税減税提案に同意する首相府文書2614/VPCP-KTTH
首相府は、2023年4月17日付け文書2614/VPCP-KTTHを財政大臣へ送付して、2023年度の税金手数料の減免計画に関するLe Minh Khai副首相の意見を伝えました。これによれば、法規範文書公布法第146条第1項が規定する簡略手続きによる付加価値税減税に関する国会決議の立案・公布を要請する国会、国会常任委員会への政府提案のための財政省からの報告を原則同意しました。財政省は、司法省および関連省庁と協力して、管轄機関への提案を行うための決議草案書類を規定の手順通り早急に立案します。簡略手続きに基づいて決議草案の立案・公布を提案するための根拠・必要性を明記して、2023年4月25日前に政府へ報告することとされています。
財政省は、その前に、2023年4月14日付けで2023年度の税金手数料の減免計画を首相へ送付しています。具体的には、税率10%の付加価値税が適用される全ての物品サービスについて税率を2%下げて8%とすること、事業世帯・個人事業主に対して税率10%の付加価値税が適用される全ての物品サービスについてのインボイス発行時の付加価値税計算根拠の20%減額が財政省から提案されています。
商品サービスの種類毎の付加価値税減税は、輸入段階、製造加工段階、販売段階の全ての段階で統一して適用することが提案されています。減税の適用期間は、文書公布時点から2023年12月31日までと提案されています。
従って、前年に引き続いて、付加価値税の2%減税が受けられる嬉しいニュースだと言えます。また、上記提案内容の通り、もし、税率10%の付加価値税が適用される全ての物品サービスについて税率を2%下げる内容のまま施行ガイダンスが公布されるのであれば、前年のように減税の適用対象か否かを判断する必要もなくなりますので運用が楽になります。とは言え、実際のガイダンスがどうなるかはまだ分かりませんので、ガイダンスの交付を待つ必要があります。
2. 2023年の納税および土地リース料納付期限延長に関する政令Decree 12/2023/ND-CP
2023年の納税期限(付加価値税、法人所得税、個人所得税)および土地リース料納付期限の延長を定めた2023年4月14日付け政令Decree 12/2023/ND-CPが公布されました。本政令の施行期間は署名日から2023年12月31日までです。政令の注意すべき点は以下の通りです。
- 付加価値税について:
· 規定に基づく該当企業・組織に対して、2023年3月から8月までに発生した付加価値税納税額(月次申告の場合)および2023年第1四半期および第2四半期(四半期申告の場合)に発生した付加価値税納税額の納税期限が延長されます。
· 延長される期間:2023年3月から5月までおよび2023年第1四半期の付加価値税額については6か月間、2023年6月および2023年第2四半期の付加価値税額については5か月間、2023年7月の付加価値税額については4か月間、2023年8月の付加価値税額については3か月間です。延長される期間は、租税管理法の規定に基づく納税期限日から計算します。従って、付加価値税の納税期限は以下の通り延長されます。
付加価値税の発生時期 |
延長後の納税期限 |
2023年3月 |
2023年10月20日 |
2023年4月 |
2023年11月20日 |
2023年5月 |
2023年12月20日 |
2023年6月 |
2023年12月20日 |
2023年7月 |
2023年12月20日 |
2023年8月 |
2023年12月20日 |
2023年第1四半期 |
2023年10月31日 |
2023年第2四半期 |
2023年12月31日 |
· 期限延長を受ける対象となる企業・組織は、現行規定の通り、月次または四半期の付加価値税申告書を提出する必要がありますが、上記の通り納税期限の延長が認められます。
- 法人所得税について:
· 規定に基づく該当企業・組織に対して、2023年度第1四半期、第2四半期の法人所得税仮納税額の納税期限が延長されます。
· 延長される期間:租税管理法の規定に基づく法人所得税の納税期限日から3か月間。
· 管轄税務当局へ個別に法人所得税の申告を行っている支店、直轄単位も法人所得税の納税延長を受ける対象となります。企業・組織の支店、直轄単位が延長を受ける経済分野・事業分野に該当する活動を行っていない場合、法人所得税の納税期限延長を受ける対象とはなりません。
- 事業世帯の付加価値税、個人所得税について:(既定の分野での活動を行う)事業世帯、事業を営む個人は、納税期限が2023年12月30日まで延長されます。
- 土地リース料について:
· 管轄当局の決定または管轄当局との契約により土地リース料の年次払いの形式で国家からの直接土地リースを受けている企業、組織、世帯、個人で、対象に該当する場合、2023年の土地リース料50%の納付期限が延長されます。
· 延長される期間:2023年5月31日から2023年11月30日までの6か月間。
Decree 12/2023/ND-CPの施行日は2023年4月14日です。
- 延長適用の手順
· 管轄税務当局へ直接申告納税をする延長適用対象に該当する納税者は、納税・土地リース料納付期限延長申請書または訂正の場合は訂正申請書を提出(電子的提出、ハードコピーで直接提出、または、郵送にて提出)します。書式は政令の付表様式に基づきます。
· 延長申請書の提出が月次または四半期申告書と同時でできななかった場合、提出期限は2023年9月30日になります。延長申請書の提出時点前に発生している税金、土地リース料の納税納付期限も延長されます。
3. 2022年の土地リース料・水面リース料減額に関する首相決定Decision 01/2023/QD-TTg
コロナ禍の影響を受けた対象者に対する2022年の土地リース料・水面リース料の減額に関する2023年1月31日付け首相決定Decision 01/2023/QD-TTgが公布されました。Decision 01/2023/QD-TTgは公布日から施行されます。本決定の注意すべき点は以下の通りです。
- 土地リース料・水面リース料の減額:以下のような場合に2022年の土地リース料・水面リース料が30%減額されます。
· 土地リース料・水面リース料の年次払いの形式で国家からの直接土地リース・直接水面リースを受けている組織、機関、企業、世帯、個人。
· 土地リース料の減免対象に該当しない土地リース・水面リース者の場合、および、土地法、土地法施行細則またその他関連法令の規定による土地リース料・水面リース料の減額を受けている場合にも適用されます。
- 土地リース料・水面リース料の減額申請書類:
· 本決定の付表様式による2022年の土地リース料・水面リース料減額申請書。
· 管轄当局による土地リース・水面リースの決定書、土地リース・水面リースの契約書、または、土地使用権証明書、住宅および土地に付随するその他資産の所有権証明書(写し)。
本決定は2023年1月31日から施行されます。
4. 税務および税関分野における行政手続き改正に関する財政省Decision 40/QD-BTC
税務および税関分野における行政手続きの改正に関する2023年1月13日付け財政省決定Decision 40/QD-BTCが公布されました。Decision 40/QD-BTCの施行日は2023年1月1日です。本決定には、給与所得の扶養控除を受けるための扶養親族届出手続きに関する改正点があります。
· ケース1:個人所得税の計算に際して扶養親族に対する扶養控除を受ける納税者は、扶養親族の初回届出書類を作成して、所得支払い機関・個人(所得支払い機関・個人を通じて納税する場合)へ申告期限前まで(または租税管理法の規定に基づいて所得支払い機関・個人の確定申告書類が提出される前まで)に提出します。所得支払い機関・個人は、1部を保管し、もう1部を当期個人所得税申告書の提出(または租税管理法の規定に基づく確定申告書類の提出)と同時に管轄税務当局へ提出します。
· ケース2:税務当局へ自ら直接申告する納税者の場合、租税管理法の規定に基づく当期個人所得税申告書の提出、または、規定に基づく確定申告書類の提出と同時に、扶養親族(子供、配偶者、両親の場合)の届出書類を管轄税務当局へ提出します。その他の扶養親族(兄弟姉妹、本人または配偶者の祖父母など)については、2013年8月15日付け財政省Circular 111/2013/TT-BTC第9条第1項d.4のガイダンスに従い、当該税務年度の12月31日が扶養親族の届出期限となります。
扶養控除の実施過程において扶養親族または勤務地に変更があった場合、改めて扶養親族の届出を行う必要があります(書類、期限、手続きは初回届出と同様)。
5. 社会保険料徴収手順を改正するDecision 490/QD-BHXH
2017年4月14日付けDecision 595/QD-BHXHおよび2020年3月27日付け Decision 505/QD-BHXHにて公布された社会保険、健康保険、失業保険、労働災害・職業病保険の保険料徴収手順を改正する2023年3月28日付け Decision 490/QD-BHXHがベトナム社会保険庁から公布されました。概要は以下の通りです。
- 全雇用主による失業保険基金への保険料納付および同時に納付すべき労働者側負担分の月次給与からの保険料控除の義務の規定。
- Decision 595/QD-BHXHおよびDecision 505/QD-BHXHが規定する社会保険、健康保険、失業保険に関する20の様式を廃止し、同時に、社会保険、健康保険、失業保険に関する20の様式を追加しています。
- 社会保険書類に関する規定が追加されています。具体的には、労働者から様式TK1-TSを受け取った雇用主は、様式TK3-TS、様式D02-LTの書類を作成して、雇用主の情報・労働者の書類の変更に関連する管轄当局による文書の写しと併せて、労働契約の締結日または採用決定日から遅くとも30日後までに社会保険当局へハードコピーまたはオンラインにて提出します。
- 雇用主による社会保険料納付が2か月超遅延した場合、保険料徴収管理部署の担当者は、10日毎に督促状を送付します。2回目の督促状を送付してもまだ保険料が納付されない場合、雇用主は抜き打ち調査リストの対象にされます(第2条第9項)。
- 社会保険料の納付逃れ、給与額に相応しない保険料の納付、労働者負担分として控除した保険料を納付しない、納付遅延、不正申告、書類偽造などの兆候、または、意図的な違反を発見した場合、社会保険当局も、抜き打ち調査を上申するか、刑事当局へ起訴の検討を依頼します。
- 社会保険に関する規定に関連するその他の改正点が多くあります。
当Decisionの施行日は2023年4月1日です。
6. 社会保険の適用対象となる職業病に関するCircular 15/2016/TT-BYTを改正するCircular 02/2023/TT-BYT
社会保険の適用対象となる職業病に関するCircular 15/2016/TT-BYTを改正する2023年2月9日付けCircular 02/2023/TT-BYTが保健省から公布されました。本ガイダンスが具体的に規定しているSARS-CoV-2ウィルスと頻繁に接触する職業の従事者が、2020年2月1日から本ガイダンス施行日(2023年4月1日)前までの期間の労働過程での接触により新型コロナに罹患したと診断された場合、観点診断のための職業病書類を用意して現行の規定に基づく職業病制度の適用を受けることができます。
Circular 02/2023/TT-BYTの施行日は2023年4月1日です。
7. 付加価値税法の施行ガイダンスを改正するCircular 13/2023/TT-BTC
付加価値税法の施行ガイダンスCircular 219/2013/TT-BTCを改正する2023年2月28日付けCircular 13/2023/TT-BTCが財政省から公布されました。概要は以下の通りです。
- 第7条第10項の改正:不動産譲渡に関わる付加価値税の課税価格は、Decree 49/2022/ND-CP第1条第1項の規定に従います。
- 第7条第13項の改正:ベトナム電力グループによる発電事業に関わる課税価格は、Decree 49/2022/ND-CP第1条第1項の規定に従います。
- 第18条第2項および第3項を次の内容に改正:事業体は、Decree 49/2022/ND-CP第1条第3項の規定に従い、投資プロジェクトに関わる付加価値税の還付を受けることができる。
- Circular 80/2021/TT-BTC第28条第2項a.4の改正:投資段階にある条件付き投資分野の事業体による投資プロジェクトに関わる付加価値税の還付申請書類に関しては、投資法・専門分野の法律の規定に基づいて管轄当局から条件付き分野の事業許可証を発給されている場合、Decree 49/2022/ND-CP第1条第3項の規定により、許可証、証明書または条件付き投資分野に関する確認文書あるいは承認文書のいずれか一つの写しが必要です。
Circular 13/2023/TT-BTCの施行日は2023年4月14日です。
8. 罰金の徴収・納付手続き、罰金納付差額の相殺、罰金領収書、および、行政違反に対する処罰機関の活動を担保するための国家予算経費に関するCircular 18/2023/TT-BTC
罰金の徴収・納付手続き、罰金納付差額の相殺、罰金領収書、および、行政違反に対する処罰機関の活動を担保するための国家予算経費に関する2023年3月21日付けCircular 18/2023/TT-BTCが財政省から公布されました。これにより従来のCircular 153/2013/TT-BTCおよびCircular 105/2014/TT-BTCは廃止されます。以下の場合には、行政違反の罰金にかかわる納付遅延金利は計算されません。
- 行政違反に対する罰則決定の執行が延長された期間。
- 未納付額の減免、または、罰金の分割納付について検討していた期間(新規定)。
また、罰金の納付日に関する定義についても、以下の通り規定されています。
- 現金による直接納付の場合:国庫、国庫の口座が開設されている商業銀行、公益郵便サービスの提供機関、または、罰金徴収権限を持つ者が罰金徴収納付証票にて確認した日付。
- 送金による罰金納付の場合:罰金納付者が罰金額受付取引完了報告を受領した日付。
Circular 18/2023/TT-BTCの施行日は2023年5月5日です。
9. 従業員への贈与や景品に関わる個人所得税に関するハノイ市税務局Official Letter 3469/CTHN-TTHT
従業員への贈与や景品に関わる個人所得税に関する2023年2月1日付けOfficial Letter 3469/CTHN-TTHTがハノイ市税務局から公布されました。概要は以下の通りです。
- 労働者が自分の専門業務に相応しい専門性向上のための訓練を受ける費用を会社側が立替払いした場合、当該訓練費用額は、労働者の課税所得に含めません。
- 会社が従業員および従業員の近親者を招いてゲームなどを企画する際に、個人が受け取る景品価額が1千万VNDを超える場合、Circular 111/2013/TT-BTC第25条第1項gのガイダンスに基づいて個人所得税を控除します。
- 給与の他に金銭または金銭以外による経済的利益を従業員へ支給した場合、会社は、Circular 111/2013/TT-BTC第25条第1項bのガイダンスに基づいて個人所得税を控除する義務を負います。
- 労働者個人がバウチャーやギフトカードなどの商品券、または、菓子詰め合わせ、コップ、衣類などの現物支給の形で会社から贈与を受けた場合、当該贈与が給与の性質を持っておらず、2013年8月15日付けCircular 111/2013/TT-BTC第2条第10項が規定する項目のどれにも該当しない場合、贈与を受けた当該個人による当該贈与に関わる個人所得税の申告納税は不要です。
10. 他省での事業場所に関わる営業許可手数料に関するハノイ市税務局Official Letter 19299/CTHN-TTHT
他省での事業場所に関わる営業許可手数料に関する2023年4月6日付け Official Letter 19299/CTHN-TTHTがハノイ市税務局から公布されました。これによれば、他省での事業場所については、商品サービスの事業活動がある場合には営業許可手数料を納付する必要があります。商品サービスの事業活動がない場合に限り、営業許可手数料の納付が免除されます。営業許可手数料申告書の提出場所・期限、納付期限は、Decree 126/2020/ND-CPの第10条第1項、第11条第1項、および、第18条第9項の規定に従います。
11. 改正法人所得税法案の立案提言に関する意見聴取依頼の財政省Official Letter 2298/BTC-CST
改正法人所得税法案立案の提言に関する意見聴取依頼の2023年3月13日付けOfficial Letter 2298/BTC-CSTが財政省から公布されました。これによれば、以下のような大きな政策方針が提案されています。
- 党および国家の方針に従い、かつ、国際的慣行に準拠すべく、課税範囲・対象の調整、減免税方針の再検討などを通じた課税基盤の拡大。
- 法人所得税法の内容改正。
- 法令システムの統一性を担保するための内容改正。
- 発展方向に相応しく、国際経済との統合の目的を担保すべき内容改正。
また、国会常任委員会、国会への提出日程については、以下の通り予定されています。
- 政府による改正法人所得税法案の立案提言作成、2024年法令作成プログラムの対象として国会へ報告し第15回国会第7回会議での可決を得るべく国会常務委員会へ提出(2024年5月)。
- 第15回国会第8回会議での改正法人所得税法案に関する意見聴取のための政府による国会提出(2024年10月)
- 第15回国会第9回会議での改正法人所得税法案可決を得るための政府による国会提出(2025年5月)。
12. 2023年3月21日および2023年3月23日に開催された2022年度個人所得税および法人所得税の確定申告に関する税務総局オンラインセミナーにおける注目すべき回答
税務総局が、2023年3月21日および2023年3月23日に2022年度確定申告に関するオンラインセミナーを開催しました。このオンラインセミナーでは、以下のような回答が出ています。
回答 1: 年度内に試用契約と正式な労働契約の両方を労働者と締結して、試用期間中に10%の個人所得税を控除しなかった場合の年末の確定申告:
Circular 111/2013/TT-BTC第25条に従い、3カ月以上の期間の労働契約を締結した労働者については、累進税率表に基づいて個人所得税の控除を行います。労働契約を締結していない労働者、または、3カ月未満の期間の労働契約を締結した労働者で支払い毎の所得額が2百万VND以上の場合、支払う前に所得額の10%を控除する必要があります。
従って、年度内に税率10%での個人所得税額控除と累進税率表に基づく個人所得税額控除があった労働者について:
o 確定申告を会社へ委任する場合、当該個人の所得および控除済み個人所得税額をまとめて、年度内の全課税所得(累進税率表に基づいて控除された所得分および税率10%で控除された所得分の両方)を申告書様式05-1/BK-QTT-TNCNで申告します。
o 確定申告を会社へ委任しない場合、当該個人の所得および控除済み個人所得税額を、申告書様式05-1/BK-QTT-TNCN(累進税率表に基づく控除対象となる課税所得)、および、申告書様式05-2/BK-QTT-TNCN(税率10%での控除対象となる所得)の両方で申告します。
回答 2: ベトナムでの勤務開始前に、規定に従い労働許可証を取得するための本人確認書類を提示するためにベトナムへ来た専門家のケースで、当該訪越期間が10日間程度で帰国して、当該訪越期間中には会社側から何らの所得支払いもなくビザ取得および労働許可証取得の費用以外には何らの費用も生じず、労働許可証が発給されて改めて正式にベトナム赴任した場合について:
o 初めてベトナムに来た日が専門家の居住ステータスを判断する基礎となります。
o 給与所得に関わる課税所得を認識する時点は、会社が労働者へ所得を支払った時点です。専門家への所得支払い時に個人所得税の申告を行います。
回答 3: 投資過程において、初回投資証明書にない事業分野を追加して、この追加事業分野が地域に基づく法人所得税の優遇条件を満たす場合、また、事業活動を行っている企業が、法人所得税の優遇期間中に事業分野を追加した場合に対して、以下のような回答がありました。
o 2014年以降、法人所得税の優遇は投資プロジェクトに基づいて適用されています(法人つまり企業を対象とした適用はされていません)。これに伴い、法人所得税の優遇は、新規投資プロジェクトまたは拡張投資プロジェクトから発生する所得に対して適用されています。
o Circular 96/2015/TT-BTC第10条第4項5cは、活動を開始した投資プロジェクトの投資ライセンスを変更したけれども受けている優遇の条件には変更がない場合に適用されます。
o 従って、投資過程において事業活動の追加をした場合の法人所得税の優遇措置については、実際の活動状況に基づいて、当該事業分野の追加が、新規投資プロジェクトに範囲に該当するのか、あるいは、拡張投資プロジェクトに該当するのかを基礎として、規定に基づく適切な法人所得税の優遇を判断します。
o 従って、個別の書類を管轄税務当局へ提出して、自社の実際の状況に基づく個別のガイダンスを得る必要があります。
回答 4: 銀行から借入をした場合、または、銀行によるいかなる形態での信用保証を受ける場合で、借入額が借入企業の資本金額の25%以上となり、かつ、借入企業の中長期債務総額の50%超を占める場合、当該銀行は関連者と認識されます。これ以降、借入企業と銀行との間に生じる取引は関連者間取引として認識されます。
中長期債務が無い場合に、Decree 132/2020/ND-CP第5条第2項dに基づく関連者には該当しません。
回答 5: 本籍地とは異なる省にある従属会計支店が地域に基づく優遇を受けており、支店に損失を生じて、本籍地で利益が出た場合:
o 法人所得税について:
Ø 2022年度の法人所得税確定申告に際しては、様式03/TNDNの確定申告書、優遇対象となる活動の法人所得税納税額を確認する付表03-3A/TNDNを作成します。確定申告書類は、本籍地の管轄税務当局へ提出します。優遇を受けている地域の税務当局へは確定申告書も付表03-3A/TNDNも提出する必要はありません。
Ø 支店での事業活動から生じた損失は、支店の次年度以降の課税所得から控除可能な損失として繰越しができます(損失額の繰越しが可能なのは、損失が生じた年度の翌年から連続する5年間以内です)。
o 財務諸表について: 従属会計支店は個別財務諸表を作成する必要はありません。
回答 6: EBITDA(利払前・税引前・減価償却前利益)
o 延払い・割賦販売の金利分は、関連者間取引のある企業に関わる利息費用の損金算入上限を規定したDecree 132/2020/ND-CP第16条第3項aが定めるEBITDAの計算には関わりません。
o Circular 45/2013/TT-BTCの規定に基づけば、年次払い土地リース料の配賦費用は固定資産の原価償却費ではありませんので、当該配賦費用を減価償却費としてEBITDAを計算してはいけません。
回答 7: FacebookおよびGoogleの広告サービスを利用して両社からインボイスの発行を受けている場合の外国契約者税
o 2022年3月以降、税務総局は、外国サプライヤー用情報サイトを運用しています。現在、税務当局へ直接申告納税を行うとの届出をしている外国サプライヤーのリストが当該サイトで公開されており、MetaおよびGoogleも当該リストに含まれています。
従って、FacebookおよびGoogleの広告サービスを利用して、両者からインボイスの発行を受けているのであれば、当該両社に関わる外国契約者税の申告、控除、納税は不要です。